川西市郷土館は能勢電鉄の「山下駅」から降りて、歩いて15分ほどの静かな住宅街にあります。中はと
ても広く、見どころがたくさんあります。半日をかけてゆっくり回るのがいいでしょう。それでは、川
西市郷土館の魅力を詳しくお伝えします。
川西市郷土館は主に、国の登録有形文化財でもある近代和風建築の「旧平安邸」と洋館の「旧平賀邸
」、美術館の「ミューゼ レスポアール」、銅の製錬所の跡地で構成されています。
〇旧平安邸(国登録有形文化財)
「旧平安邸」はかつて銅の製錬所を営んだ平安家の邸宅です。大正中期(1910年代)に建てられたこの
建物は、阪神北エリアの伝統的な民家の特徴と数寄屋造り(茶室風の様式)を取り入れています。部屋
数が11もあり、とても広いです。客間である受付を通って、まず中玄関が見えます。そして主屋、中庭
、お風呂、蔵、離れがあります。
廊下の10mもある床はなんと一枚板になっているのです! 窓ガラスは大正時代の手作りガラスで
、1995年の阪神・淡路大震災でも割れませんでした。
日本庭園の風情が感じられる緑いっぱいの中庭。
洗面所スペースも当時のままで、衛生陶器に今のTOTOの昔の商標がついています。この商標は1921年
から1928年ごろまでの間に製品に使用されていたものであり、製品の現存数が少ない珍しいものです。
お客様用のお風呂。風呂場や洗面所などでのタイルの使用は、近代住宅の特徴の一つです。風呂場の壁
に貼ってある緑色のタイルは和製マジョリカタイルです。
蔵は展示室として使われています。
川西市に在住していた一色八郎氏のコレクションを展示している「箸の展示室」です。
そのほか、鉱山資料展示室もあります。
「旧平安邸」はNHK朝の連続テレビ小説「カーネーション」のロケ地にもなっています。
〇旧平賀邸(国登録有形文化財)
洋風建築の「旧平賀邸」は化学者である平賀義美博士により大正7年(1918年)に猪名川沿いに建てら
れ、平成2年(1990年)に郷土館へ移築復元されました。この建物は昔のイギリスの田園住宅の様式を
そのまま取り入れたもので、日本の近代建築史上重要な建物として、国の登録有形文化財となっていま
す。
建物の中は客間、書斎、寝室などの部屋があり、出窓、暖炉もつけられ、イギリス流形式を忠実に守っ
ています。インテリアが上品で、落ち着いた雰囲気が感じられます。
トランプのマークが部屋の中に散りばめられています。よく探してみてください
また、階段の斜度と並行しているひし形の窓や、日本三景が描かれているランプなど、細かい部分の見
どころも見逃さないでください。
実験研究棟の2階では、平賀博士や平賀邸の歴史についての紹介を展示しています。
「旧平賀邸」はテレビドラマや映画撮影のロケ地としても活用されています。
〇平安製錬所跡
「旧平安邸」の裏にある斜面が平安製錬所の跡です。阪神北エリアには銀や銅の鉱脈が広がり、この地
では、多田銀銅山から採掘してきた鉱石から銅を取り出す仕事が、昭和10年頃(20世紀前半)まで営ま
れていました。
そのほかに、川西市郷土館の敷地内には、青木・平通両画伯記念館「ミューゼ レスポアール」がありま
す。鉄筋コンクリート造り2階建ての現代建築で、外観はモダンな渦巻き状の筒の形をしています。「
レスポアール」とはフランス語で「希望」の意味です。中には、川西市ゆかりの日本画家の青木大乗氏
と洋画家の平通武男氏の作品を常設展示しています。
住所:川西市下財町4番1号
アクセス:能勢電鉄「山下駅」より徒歩15分
開館時間:午前10時から午後4時30分まで(入館は午後4時まで)
休館日:月曜日(月曜日が祝日に当たる場合はその翌日)
入館料:一般300円
http://www.kawanishi-hyg.ed.jp/kyodokan/
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