宝塚市の清荒神清澄寺は1100年以上前に創建されたと伝わる真言三宝宗の大本山ですが、火の神・台所の神をお祀りし、また日本古来の宗教、修験道の開祖も祀られるなど、神仏習合の日本古来の風習を感じられる場所です。地元では「荒神さん」と呼ばれ親しまれ、家内安全、商売繁昌、厄除開運など様々な人の祈りの場となっています。四季それぞれの景色も美しく、特に秋の紅葉シーズンには、境内中央の大イチョウが黄金に色づきます。推定樹齢400年、宝塚市の天然記念物にも指定されています。そんな自然豊かな神さんにお参りをしてきましたので、境内をご紹介します。レトロな雰囲気漂う清荒神参道商店街も見どころがたくさん!こちらの記事も合わせてご覧ください。
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山門をくぐり、まっすぐ行くと手水舎です。柄杓が整えて置いてあり、気持ちいいですね。心身を潔め参詣しましょう。
さっそく「天堂(拝殿)」へ。大きいお腹の「布袋尊」が出迎えてくださいました。
「天堂(拝殿)」から後ろを振り返ると、立派な鳥居と大イチョウの壮観な風景が見えます。
こちらは「天堂(拝殿)」の西にある「護法堂(本社)」、その背後にある「荒神影向(こうじんようごう)の榊」です。清澄寺開創の際、荒神様がお姿を現された、と伝えられる場所です。いつからか、そこに供えられた賽銭を木の棒で自分に引き寄せて頂いて帰り、次回の参詣の際に倍にしてお返しする、という風習が伝えられました。いただいたお賽銭を紙に包んで財布に入れておくと小遣銭に不自由しない、また次に参詣されるまでそれを「御守り」として持っていると吉事があるなど言われています。この日も備え付けの木の棒を使って、熱心にトライする人たちの姿が見られました。
こちらは「火箸納所」。「かまどの神様」である三宝荒神王にあやかり、厄年の人の厄を、火箸でつまみ出してもらおうと、厄年の間自宅で火箸をお祀りし、厄が明けた後にその火箸を納める建物です。
近づいてみると、とても大きな火箸もありますね。
こちらの「行者洞」は、岩盤をくりぬいた祠で、日本古来の宗教である修験道の開祖である「役行者(えんのぎょうじゃ)」を祀っています。暗闇から役行者の底知れぬパワーが伝わってくるようです。
「天堂(拝殿)」には、福徳を授ける諸神諸仏が祀られています。聖天さまは仏教守護の神、また十一面観世音菩薩は現世利益を得ることができるとされています。
こちらは、「天堂(拝殿)」と「本堂」を結ぶ石段です。ちょうど中ほどに、明治時代に新しく祀られた「宝稲荷社」があります。
さて、「本堂」に到着しました。正面には本尊大日如来、向かって左に不動明王、右に弘法大師が祀られています。
池苑の向いにある「一願地蔵尊」は1891(明治24)年、多くの信者の寄進により建立された金銅製の立像です。水をかけて一つの願いを念ずれば、ご利益があると言われています。この日も子どもたちが、背の高いお地蔵さんめがけて、力いっぱいお水をかけていました。
鉄斎美術館別館「史料館」は屋根以外、透明なガラスで全面が覆われた美しい建物。京都に生まれ、近代文人画の巨匠と名高い富岡鉄斎(1836~1924)は、大阪の神社で宮司を勤めたこともあり、仏教にも親しみ、清荒神清澄寺の法主と親交を深めました。そのご縁で、鉄斎の作品がこのお寺にて蒐集されました。2021(令和3)年11月現在、資料整理のため休館中の鉄斎美術館「聖光殿」に代り、入館無料の「史料館」にて、鉄斎の作品の一部を楽しむことができます。
「史料館」の横にある「池苑」は、池泉回遊式庭園。17~18世紀頃(江戸時代初期~中期)に造られたそうです。池の周りに豪華な石組のある観賞式庭園で、この日も沢山の鯉が元気に泳ぎまわり、サギが岩の上で羽を休めていました。
緑豊かな山峡にミステリアスな神仏習合の雰囲気を感じながら、歴史ある寺の参詣と芸術鑑賞。素敵な心身のリフレッシュになりますね。
お出かけは、最寄り駅の阪急電鉄清荒神駅から、参道商店街を楽しく散策しながら30分ほど、日祝日はJR宝塚駅から清荒神駐車場まで、バス(片道運賃220円)も出ています。(詳しくは阪急バスのホームページ、https://www.hankyubus.co.jp/rosen/route/2126_takaduka.html をご確認ください)
清荒神清澄寺 http://www.kiyoshikojin.or.jp/
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