兵庫県では魅力的な体験ができる、「ひょうごフィールドパビリオン」認定スポットがたくさんあります。2024年11月30日から12月22日の週末にかけて、阪神北地域で認定されたひょうごフィールドパビリオンを巡る「阪神北地域の魅力再発見!ツアー」が3回行われました。
今回は12月15日(日)に開催されたツアー「里山の魅力を五感で体感!」に参加してきました。三田市、猪名川町にある5つのパビリオンを1日かけて巡ります。
●「日本一の里山」を巡るウォーキングツアー(川西市)
朝9時に阪急川西能勢口駅を出発し、約30分で最初の目的地に到着します。川西市黒川地区は、お茶席で使われる最高級の炭「菊炭(きくすみ)」を生産しています。断面が菊の花のように見えることから名付けられました。
まず「今西菊炭本舗」で、炭生産のお話を伺いました。炭焼き窯は、1回に6トンの木を入れて焼き、焼きあがると1トンになるそうです。原材料のクヌギは、成長後10年の幹を切り出します。クヌギは新しい芽をつける力が強く、芽が出て10年後に切るのを繰り返すため、独特な形をしているそうです。
それを確かめるため、クヌギが生えている山へ(通常立ち入り不可)。山では独特な形のクヌギが見られます。地上から1〜2メートルのところで伸びた枝を伐採することを繰り返すと、土台となった幹が太くなりますが、その上は細い幹になります。「台場クヌギ」と呼ばれ、そのような木があちこちに生えています。当日は快晴。爽やかなウォーキングができました。
麓に降り「徳林寺」に到着。本堂でお茶席体験をしました。お湯を沸かすのに使うのはやはり「菊炭」。煙が少なく、火持ちが良く、灰になっても炭の形を残した美しさが特徴です。それが高級品として重宝されてきた理由です。確かに匂いも煙が少なく、「菊炭」の質の高さを実感しました。
●猪名川町の里山「今と昔」(猪名川町)
川西市黒川地区を後にし、猪名川町へ。「丘の上のカフェそらりお」で昼食です。このひょうごフィールドパビリオンでは食事のほかに、里山探訪、収穫体験がセットになっていますが、今回は食事のみです。
食事は地産地消にこだわっており、目の前に広がる田んぼや畑から収穫された季節の食材を使用しているそうです。また、カフェではデザートもこだわっており、今回の昼食にも趣向を凝らしたケーキが用意されました。それ以外にもシュークリームやクッキーなどが人気です。
食事の最後に「丘の上のカフェそらりお」の店長より、里山の現状を伺いました。
里山は人が利用することで作られた特徴があります。しかし、今は里山が荒れてしまい、人と野生動物との距離が近くなったそうです。最近でも田んぼが猪に荒らされてしまったといいます。自然と共生する難しさを知ることができました。
●摂津の里山を見て苔リウムを作ろう体験(猪名川町)
ランチ後移動しながら「道の駅いながわ」にも立ち寄ります。新鮮な野菜や十割そばが人気です。
休憩も兼ねて20分ほど滞在したあと、「猪名川町立ふるさと館」へ。ここで猪名川産の苔をつかった「苔リウム」づくりに挑戦します。講師を務める「苔リウム工房猪名川」の代表・望月康平さんが丁寧に教えていました。小さめのガラス容器で、渓流を再現していきます。
まず土を敷いて石を配置します。配置にはコツがあり、手前を低く、奥を高くして遠近感を出すことがポイントだそうです。繊細な作業も多く、集中力が高まります。皆さん本当に真剣そのもの。各テーブルに完成後の見本があり、参加者も作り方のコツを聞きながら挑戦していました。終わったら霧吹きで水をかけて完成です。作品はお持ち帰りできます。
このあとの苔の育て方もレクチャーされていました。最後は作品をもって記念写真!
●大阪から電車でたった30分の里山の入り口『西谷』で未来の里山体験ツアー(宝塚市)
次のひょうごフィールドパビリオンへは20分ほどで到着します。宝塚市北部・西谷地区にある「宝塚自然の家」には、茅葺の古民家「旧東家住宅」が移築されています。
茅葺の古民家では、西谷地区の皆さまにより蕪とカリフラワーのスープが参加者にふるまわれました。12月の寒い日だったこともあり、身体もぽかぽか。
ここでは「故郷に帰ってくる」体験をすることもコンセプトです。このあとは古民家の中を見学したり、薪割り体験をしたりと、参加者がそれぞれ思い思いに過ごしていました。
1時間ほど滞在したあと、近くの畑で大根の収穫体験を行いました。収穫した大根は3本までお土産として持ち帰りOKでした。無農薬なので、葉っぱまで食べられるそうです。
このツアーでは、里山にまつわる4つのひょうごフィールドパビリオンを巡りました。それぞれ個性あるプログラムで、様々な体験を通して自然豊かな阪神北地域を満喫することができました。