自然に囲まれ、のどかなのどかな人々の暮らしを体感できる猪名川町。この町の特産品のひとつが、休耕田を利用して栽培されるそばです。猪名川町のそばの魅力を知るのには「道の駅 いながわ」がおすすめです。ここではそばを味わうだけでなく、つなぎを使わずそば粉だけで打ち上げる生粉打ち(十割そば)が体験できます。エプロンの貸し出しがあるので、手ぶらで体験できるのも嬉しいポイント。今回は体験の様子をレポートします!
体験前にそば粉入りのアイスクリームを片手に、猪名川のほとりでひと息つきました。この日は天気も良く、暖かな日差しと川のせせらぎに癒されました。
そば打ち体験を教えてくれたのは、この施設の副支配人でそば打ち名人の林さん。十割そばはそば粉本来の風味を味わえますが、つなぎが無いため、そば打ちにも熟練の技が必要です。ひとつひとつの工程を丁寧に教えてもらえるので、初心者でも約1時間半で楽しく美味しいそばが打てました。
そば打ち体験は水回し、こね、菊練り、のし、たたみ、切りという6つの工程で進んでいきます。最初の「水回し」は、そば粉に水を少しずつ入れて混ぜ合わせ、耳たぶくらいの柔らかさまでまとめていきます。スピード勝負で、手を素早く動かして混ぜ合わせていくのがポイント。そば粉の色が白色から緑色へと変化していくのがマジックをしているかのようでした。最初はさらさらとした手触りから、指にくっつくほどの粘り気が出てきて驚きました。
こね鉢にそば粉を押し付けるようにぎゅっぎゅっと手早く練る「こね」が終わると、表面に艶が出て、つきたてのお餅のようにつるつるになります。練ったそば玉を少しずつ内側に練りこみ、包み込むようにしてとじる「菊練り」は、肉まんの形に似ていて面白いです。それが終わると、空気を押し出すように円錐状にまとめる「へそ出し」をします。様々な形に変化していく様子に、だんだんそば打ちの奥深さを感じ始めました。
そば生地を掌でつぶし、平らにしていく「地延し(じのし)」の工程が終わると、次に麺棒を使い、軽く握った手で押すように麺棒を転がして40cmくらいの正円になるまで延していきます。体重をかけてどんどん延びていく楽しさを感じながら進めます。
続いて丸いそば生地を徐々に四角形に伸ばします。最初は思うようにいかず、不思議な姿に変形してしまいましたが、最後には何とか四角らしい形へと近づけることができました。つるつるの石のような質感になるのが、また不思議です。
そば生地どうしがつかないように打ち粉をして、6枚重ねのそば生地に仕上げていく「たたみ」は、そば生地の端をつまむと裂けてしまうので、下から優しくすくうようにして折りたたんでいくのがポイント。
そして、いよいよ最後の「切り」まできました。最初に林さんにお手本を見せてもらい、いざ実践!力が入りすぎて、気が付いたらどんどん生地が太くなってしまいました。お手本と自分の麺を比べて苦笑いしてしまいましたが、これもまたひとつの思い出ということで。短く切れてしまった生地は、油で揚げて塩や砂糖をまぶして食べると美味しいから試してみてね!とそば名人ならではの食べ方を教えてもらいました。これで全ての工程が終了です。思っていたよりも、そば生地作りの工程が多いことに驚きました。
打ち立てのそばは茹でていただき、店内で食べることもできます(別途500円)。麺の太さにバラつきがあるのもまた味があって格別です。残りはお土産として持ち帰りができます。
そば打ち体験後、外に出ると猪名川町のマスコットキャラクター「いなぼう」が夕日に照らされて迎えてくれました。「お疲れ様!そば打ち体験、楽しかった?」と話しかけてくれているようでした。訪れた際のフォトスポットとしてお忘れなく。
毎年9月中旬、猪名川町ではそばの花が見ごろになり、田んぼ一面に花畑が広がるそうです。次はそばの花を見に来ようかなと思いました。
【施設情報】
施設名:道の駅いながわ そばの館 いなそば生粉打ち体験道場
体験時間:火・金9:30~、14:00~ 土・日・祝日14:00~(前日までの予約制)
料金:1鉢2,500円(そば粉500g)4~5人前 *打ち立てを食べる場合は別途500円追加
住所:兵庫県川辺郡猪名川町万善字竹添70番地1
最寄り駅:能勢電鉄 日生中央駅から阪急バス杉生線 川床口下車
HP: https://michinoeki-inagawa.com/soba
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